ロストイントランスレーション

20代前半映画を観まくっていた時代
試写会か一人でひっそりか
見に行ったと思う

あのときは何故かソフィア・コッポラ
流行っていた
マリー・アントワネットとかね

たまたまWOWOWでやっていたので、
夜中ねむたかったけど
つい見てしまった

観たのはもう10年以上前のことなんだ
驚き

外国人の目線でみた東京、日本人の印象
ソフィア・コッポラ目線が強いけど

10年前の東京を一緒に旅して
ぼんやりと見ているようだった

孤独な中年の危機に差し掛かる俳優のおじさん

結婚して2年目、哲学を勉強したけど何もせず
将来にも結婚にも退屈を感じてる20代の女子

二人共経済的には余裕のある生活

だって、日本で泊まってるホテルは
ラグジュアリー

何泊してるの?って感じだし

食べるものは寿司やらしゃぶしゃぶやら
バーに行くやら。

お金気にしてたら出来ないような
ホテル生活

初めてホテルで見かけたときのお互いの印象を
語り合うとき
お互いの印象は、違う瞬間だったのが
いいなと思った、

自分が意識していないときの笑顔を
褒めてもらうのとか
知らない自分を褒めてもらってるみたいで
うらやましくなった

二人ともよる眠れなくて
なぜ眠れないのかとか
何が不安なのかはきっと言葉にすると
陳腐になる

それでも、なぜ生きているのか
何に必要とされているのか
今のままでいいのか。

かわいい子供もいたり
愛する夫もいたり
お金には余裕があったり

それでも、漠然とした心の穴があって
説明することも誰に聞かれることなく
なんとなく同じ空気の二人が異国の
東京でその期間限定で心を触れ合わせる

年齢も違う
考え方も違う
立場もちがう
それでも、心の深いところの部分で
お互いに向かい合って耳を傾ける
答える

そういうのって、恋愛とも違う
でも
誰もがその瞬間に、安心とか愛を
感じるのかもしれない

結婚2年目と結婚25年目

彼女が彼に
この漠然とした不安は時と共になくなるのか
聞いていた

子どもができた瞬間に、すべてが変わる
今までのような生活が生まれた瞬間に、壊れる
それでも、その代わりに子どもが喜びになり
新しい気持ちを与えてくれる
夫婦もその瞬間に変化していき
難しくなる

そんな感じでおじさんは答えていた

限られた時間、限られた空間
共有するきもち、異国の言葉の通じない国
そこでの二人の間に心の会話が生まれたとき
一緒に食事をするとき
同じ景色を見るとき
お互いが必要な存在であると感じる

二度と会えないとしても
心の中にお互いの中にだけ存在する

そういうのって、旅して経験した人にしか
分からないかもしれない

人に理解されない気持ちかもしれない

初めに観たときの私は
何も経験していなかったから
この映画に対して
なんとなくおしゃれだなあ
くらいしか感じなかった

やっぱり年月が経ちもう一度観たら
感じるものがあった

どんな人も、幸せそうにみえても
その人にしかわからない心の隙間がある

恋人になったわけでも、友達になったわけでも
なかった
そこが良かった

自分を
理解してくれていると伝えて貰えば
それが一瞬の出会いでも
そこから光が見えてくる

最後耳元で何を囁いたんだろう

みんな、心に何かを抱えて生きている

今の日本人はもっと英語喋れるけどね