節分

 

大好きだった一頭目の犬の誕生日

3人の子どもの中で育った犬

狭い家の中で

 

今思うと可哀想だったな

子どもは可愛がるけど散歩とかちゃんとしない

 

とても利口で、気が強くて父のことが大好きだった

 

松ぼっくりとボールが大好きで

走る子どもとか追いかけて本能で捕まえようとしてた

 

ベランダからいつも下に向かって吠えて

花火がなると吠えて

誰かがけんかすると吠えて

兄がいびきをかくと、前足で兄の顔を押さえて起こそうとしてた

 

気が強い女の子

 

凄く綺麗な顔してた

 

死んじゃう頃にもう一頭同じ犬種をつれてきたら

やっぱり少し寂しそうだった

あんただれ?って言う感じ

 

今はお空で元気に走り回ってるのかな

母とも会えてるよね

 

 

去年は、母と家族と病院だった

病院で先生や看護師さんたちが鬼に扮して

節分の日を祝ってたっけ

 

でも死を目前にした母の目には不気味に見えてたのかもしれない

 

最後まで死にたくない、とか痛いとか弱音吐かなかった

そう、寝たきりで身の置き所がないはずだったけど

きっと意識はしっかりしていて

立ち上がって外の空気を吸おうとしてた

 

最後まで生きてた

本当に強い人だったな

 

今思うと本当に凄いことだと思う

 

自分だったら病気になって痛かったら怖くて怖くて

どうなっちゃうだろう

 

母は今頃、笑って節分のお豆撒いてるだろうね

 

もう苦しくもないし痛くもないし

皆の心に楽しかった思いでをたくさん遺してってくれた

 

私は死ぬときに、そんな風にできるだろうか

 

みんな死ぬということは平等に訪れる

だから生きるってことも平等なんだ

誰のためでもなく、自分の命は自分で守るしかない

でも、最後に生きててよかったって思いたい

 

自分が生きていることが不思議

自分が分からなくてすべてを見失っている今だけど

いつか道筋を見つけないと

 

全ての人から、鬼がいなくなって

全ての人に、福が来ますように

 

苦しんでるひとにもいつか光がおとずれますように