恐怖

一人で号泣した

 

法事の為に実家に帰り、犬の異変にすぐ気づいた

 

何も食べていないのに

下顎を不自然にかたかたさせている

水を飲んでその後、口から水が垂れている

 

もう12歳だから、心のどこかで覚悟はしている

 

それでも、その異変を目の当たりにしたら

ほんとうの恐怖と不安に襲われた

この、いつも実家で私を喜んで迎えてくれる

一緒に散歩をしてくれるコイツがいなくなったら

私は、ちょっと立ち直る自信がない

 

年をとってもいつも変わらずにそこにいる君

私が何時に実家に帰っても

階段の上からひょっこり顔をだして

眠そうに私のところに来て

しっぽを振ってくれるの

 

君だけは死なないでよ

君が家に来てくれたから皆が笑顔になれたんだよ

子供はみんな大好きだよ

 

自分にとって動物が痛めつけられたり

死に直面している姿は胸が張り裂けるような気持ちになる

 

なぜだか分からない

 

それでも、もし目の前にいる大事なこのこが

痛いのを我慢して、目で何かを訴えているだとしたら

 

自分には何ができる?

 

離れて暮らしているけど、

もしもこの先がもう限られているなら

出来る限り大好きな散歩とご飯だけは

面倒を見てあげたい

 

動物は、人間と一緒に過ごす動物は

人間の力なしには生きて行けない

 

悲しいけど幸せだけど、人間が最後迄面倒を見なきゃならない

 

私が勝手に異変に気づいて、彼に触りながら泣いてるとき

大人しく、私の事を見つめてくる

 

痛いの?

 

これ以上家の中から無邪気な明るさを奪わないで

 

お願い

 

いつかそのときがくる事は分かっているけど

希望をまだ無くしたくないよ

 

これって、自分のための願いなのかな

 

大好きなぬいぐるみを枕にしている目の前の犬をみて

涙がとまらない

 

親とか子供を亡くすのとは

違うけど

私に取っては

言葉も通じない動物が特別な存在

 

これ以上苦しめないで

 

お願い