しあわせな一人ぼっち

スウェーデンの映画

偏屈な寡婦の爺さんのお話

父の今の姿ととかぶる

どこにでも、必ずいる
ご近所に厳しい目をむけて
煙たがられるお年寄り

自分のやり方や考え、秩序に拘り
それを他人にも強要させようと
必要のない努力を執拗にする。。

他人のためなのか自分のためなのか

周囲の人間は関わるのがウンザリする

本人の言ってることはごもっとで
規則正しい

問題はその、言葉の伝え方 態度

一方的に頭ごなしに喚き散らすのは
意味がない
真意が伝わることはない

人生は千差万別

波瀾万丈な人生以外は平凡な人生
つまりは、
平凡とは幸せなことなのだと
思った

主人公の爺さんは
ほんとに、偏屈で気難しく、
自分の秩序以外は認めない

彼の人生に何があったかなど
他人には関係ないのに
実は彼は過ぎた事実を引きずり
ひどく傷ついていた

言葉の真意は無視して、後ろ向き向きな態度で
他人を罵倒し続けている
罵倒し続けながら自分で自分を孤独にしている

不思議なことに彼は、心からは憎まれていない

古くから彼を知る近所の人間も
新しく引っ越してきた子どものいる若夫婦も
彼を頼りにしている

彼の言葉や態度がどうであれ
どんなに、罵倒されようと
彼の周りの人間は彼を見捨てずに
むしろ彼を頼りにしていた

なぜなら、彼の本来の優しさや丁寧さ
気遣いを知っていたからだ

罵倒の影には
彼のそうなるまでの人生や気持ち
愛が根底にあり
それが、所々の彼の言動から
周りにはきちんと通じていた

お隣の二人の子どももつ妊婦さんが
最高過ぎて。。

やはり。言葉でハッキリ伝え合う
相手に伝わらなければ
言葉が言葉で有る必要がない

お互いに、相手を激励し合い
徐々に心を通じ合わせる場面には
胸の奥ががジンとなる

嫌な爺さんなのに
いつも周りには、猫や人や子どもがいて
ほんとのところは、慕われている

でもそれにはちゃんと、彼の言動の裏にある
優しさの言動が彼らには理解されていた

毎日可愛い綺麗な薔薇をお墓に備え
普段は誰とも話さないのに
優しく語りかける言葉は
愛以外のなんでもない

愛する人を失くすことは
人を変えてしまう

それでも、人は、一人では生きていけない
生きていけても、幸せではない

爺さんは、寂しいだろうけど 辛いだろうけど
きちんと理解してくれる人たちがいる

家族じゃなくても
家族のように見てくれてる人がいる

人の関係は必ずしも血のつながりではない

自分が笑えば、何かが変わるのかもしれない

なんだか思うことがたくさんの映画

言葉にすると実に陳腐

それでも、ホンワカ

みんな何か抱えて生きている