こどもの涙

子どもが父親に叱られ、泣いているのを見た

 

目の前で見ていて起きた出来事

焼肉店での出来事

 

その家の母親が体調不良で入院していた

小さな子ども二人のお世話を父親一人ですることが大変なのは分かる

でもそれを母親は毎日しているのですよ

 

そのおとなは自分が偉いと思っているのか、

自分だけが大変だと思っているのか

子どもの世話に終われイライラしていたのかもしれないが

 

しかし、大人の事情は子どもには関係ない

 

下の子の世話に追われて、上の子が理不尽に叱られていた

「行儀が悪い」と

行儀が悪いのは下の子が持ち出したおもちゃを、戻しにいっていただけ

歩き回る下の子の様子を見に行っていただけ

 

子どもの母親が体調不良で入院することが、子どもにとってどれだけ不安か分かるでしょうか

 

大人になり、母の入院姿を見ていた私は心底憔悴した

今でも思い出し、口にだすことを躊躇う

泣いてしまいそうになるから

 

それが、小学校低学年の子にとってどのくらいの心の重みになっただろうかと

 

「お前は行儀が悪い」

 

あなた、その子のことを本当に見ていましたか?

下の子のお世話に追われていませんでしたか?

上から押し付けるような言い方

 

その子は、黙って何も言わずにこらえきれずに、ぽろぽろ大きな涙を流した

静かに泣いていた

美味しいはずの焼き肉が涙にぬれていた

 

その父親は、その子に対して何のフォローもなかった

言いっぱなし

 

私は隣にいって、ちゃんとわたしは見ていたこと、悪くないということ

あの言い方は怖いよねということを

背中をさすりながらその子に伝えた

伝えながら、なぜか一緒に泣いた

悔しかった

その子の悔しさが分かったから

怖くて言い返せなかったんだよね

 

子どもに対して怖いという感情を与えていいことは何一つない

 

不意の事態で恐怖を体験することがあるのなら仕方ない

誰にも避けられないのだから

 

それでも、子どもに絶対的な存在の親が大事なときに

恐怖で子どもを叱りつけることに、わたしは賛成できない

親が恐怖で子どもを押さえつけることで、物事や

その子の思考はねじまがり、歪んで、それは次の世代や周囲へ影響する

 

物事を強制的に押し進めて行くことは子どもの気持ちを抑圧してしまう

 

黙って、子どもが目に涙をためて泣くことってどれくらいつらいか

 

泣きわめくことができないということだよ

自分の意志を伝えることができないんだよ

慰めてくれる母親が不在で、起きたその出来事

我慢して泣くしかないできないって、大人だって苦しいのに

子どもはそれをどのように受け止めればいいのよ

 

全てを赦すのが親ではないが、叱るよりも愛情を伝えてから

物事を教えていくことができれば、子どもの心は潤うと思う

 

親も人間だから、苛つくこともあるでしょうよ

 

それでも、大きな愛情を伝えることの方が大切なんだよ

 

恥ずかしいとかじゃなくて、そのときの子どもにとって大事なんだよ

 

子どもの声、言いたくても言えない我慢している声

聞こえないくらいの小さい声

我慢するしかないときにどういう気持ちなのか

ちゃんと聞いて、受け止めないとその子はその闇から出られなくなるよ

 

親になったことがない子ども目線のわたしの意見

 

それでも、子どもを傷つける大人には気づいて欲しい

 

一生その子が傷ついていきて行くかもしれないってこと。