理想の住居

一人の部屋を持ったことがない

二段ベッドの下と机が私のスペースだった
開閉式の机
気に入っていた

定期的にティッシュでホコリを拭いて
教科書を整理して
大切に使ってた

昔から広い家に住むことが夢で
自分の部屋を持つことが夢だった

自分だけなぜ、こんな狭い家に
住んでるのだろうと悲観していた

でもきっと家族全員我慢してたはずなのに
私だけいつも不機嫌だった

結婚してからは家を持つことを諦めた
自分でしっかり稼ぐノウハウもなく
なんとなく働いてきたが
しっかり安定して稼ぐことができない

ルーティーンを続けることが出来ない
同じことを続けて
何も生み出さない状況が
最大の苦痛

何事にもどんな状況にも
意味があると思っている

でも、いつまでこれが続くのかという気持ちが
私には絶望感にしかならない

人生なんてそんなことしかないのに。
私は結婚をしてはいけない人間だと思う

海老蔵みたいにルーフバルコニーやら
屋上やらで植物に水を巻く生活がしたい

広いワンフロアーで大きなソファを
L字型に置いてねっころがったり
大きな観葉植物育てたい

陽当りのいいリビングで
犬と日向ぼっこしたい

その横に誰がいてほしいのか
分からない

義実家に入ることだけ考えている夫といれば
それは叶わない

私がどうにか稼ぎ頭になって
家を建てたり買ったり出来れば叶うのか

私が望むことを夫が望まないのに
自分だけ頑張っても虚しさしかない

あっちも、きっと同じ気持ち

向かいたい方向が違いすぎる

出会った時は向こうの考えが自分にない考えで
新鮮だったはずなのに

いつからから、窮屈になった

相手と仲良くしておちゃらけた笑顔見てると
どうして自分が窮屈に感じるのか
罪悪感に苛まれる

いい人なのにな

楽しくしていても さびしくて
心が相手に全身で向けない

向こうも同じ

私の中のどこか空いた穴から
空気とか気持ちが漏れ続けて
いつも気持ちが引き締まらない

笑ってるけど引きつってる

子どもがもしいない人生なら
理想の家はまた変わるの?

同じ方向向いてない夫婦が一緒に暮らす意味
探しても見つからない

楽しいフリなのか
ほんとに楽しいのか分からない

いつからこんなに楽しめない大人になったんだろ

一人になりたいの
でも必要とされたい

天の邪鬼すぎてだれとも過ごせない日々に
ピリオド打ちたい

私は将来ホームレスになるかもしれない

それでも一人になりたいのか

おやすみなさい